明け方ごろの読書日記

ほぼ読んだ本の備忘録にしています。たまに映画や身辺雑記的ことも書いています。2014年2月から3月までの記事は、2009年頃から2014年3月までに読んだ本を時系列無視で一気にアップしたものです。

ミシェル・フーコー

 何度かチャレンジしては挫折してきたフーコーに思い切ってチャレンジ。

 挫折し続けてきた『狂気の歴史』は鬼門と判断して、まずは

監獄の誕生―監視と処罰

監獄の誕生―監視と処罰

  を読んだ。そしてその緻密さに終始圧倒されてしまった。すごいよ凄すぎる。世界を見る目が変わってしまうような本だった。上手くまとめられないのが悔しい。

刑務所の中

刑務所の中

 『監獄の誕生』を読んでいて(特に後半)、思い出したマンガ。モデルガン好きが高じて改造ガンを所持していた為に懲役を喰らった著者が刑務所の中を細密画に近い緻密な描写で描き切っている。刑務所という中で、どんな風に人間が鋳直されようとするのかが分かって面白い。

ミシェル・フーコー: 近代を裏から読む (ちくま新書)

ミシェル・フーコー: 近代を裏から読む (ちくま新書)

  フーコーをこよなく愛する著者によるフーコーの解説書。多分新書でフーコーの解説書としては一番いいんじゃないかな?

 『監獄の誕生』を中心に据えてフーコーの、特に後期以降のフーコーの丁寧な解説とさらなるフーコー読解の手引きに必要な知識を教えてくれる良書。

 とにかく著者のフーコーへの愛が伝わってくる。あとフーコー『監獄の誕生』の副読本として花輪和一刑務所の中』を挙げられていたのには賛成だわ。

フーコー・ガイドブック―フーコー・コレクション (ちくま学芸文庫)

フーコー・ガイドブック―フーコー・コレクション (ちくま学芸文庫)

  ガイドブック。フーコー自身の論文や研究者達による解説など、多岐に渡るフーコーの探求を手際良くまとめてると思う。巻末の年表も良くできている。でもなんか物足りない気がする。

 あとフーコーの論文を収録した理由(というかその論文をチョイスした理由)が良くわからなかったりするので、ところどころ初心者に不親切な部分があった。

ミシェル・フーコー伝

ミシェル・フーコー伝

  異色の思想家であるフーコーの詳細な伝記。

 伝記部分7割。思想の解説3割って所だったかな。フーコーをとりまく状況がよく分かって、とてもいい本だと思う。でもかなり少し長いかも(汗)。

 それと読んでいて、フーコーがアップルの故ジョブズに二重写しに見えてきた。二人ともスキンヘッドだし、タートルネックが好きだし恐ろしく独創的だし(笑) 

ミシェル・フーコー―構造主義と解釈学を超えて

ミシェル・フーコー―構造主義と解釈学を超えて

  評価の高い解説書。まだフーコーが存命中に書かれていて、その時点でのフーコーの業績をまとめた中間報告書で、フーコーがとったアプローチの批判的検討をした本。

 かなり歯応えのある本だったけど、フーコーの思想の奥深さを知ることができた。

知の教科書 フーコー (講談社選書メチエ)

知の教科書 フーコー (講談社選書メチエ)

  分かりやすいフーコー解説本。テーマごとにまとめられていたので、頭の良い整理になった。

言葉と物―人文科学の考古学

言葉と物―人文科学の考古学

  その筋でも難解で有名な本らしい。『ミシェル・フーコー』の著者も分からなくても全然平気って言ってたし。今までの人生の中で読んできた本の中でも、確かにトップクラスの難易度で10ページ読むのに1時間ぐらいかかることもあった(汗)。

 『言葉と物』っていう題名なのに本当の内容は「人間の認識の変化」についての考察。

 何冊も解説書を読んで準備してきたのに理解できた気があまりしない。ものすっごい目の良い人に「ほら、あそこに珍しい蝶が飛んでいるよ。すごく美しいから見てごらん」って言われて、目が悪い自分が必死になって目を凝らしている・・・。そんな感じ。

 

 5冊の解説書と2冊の著書の合計7冊のフーコーの本を読了。

 しばらくフーコーはお腹一杯かな。でもまた彼の本は手に取りそう。長い付き合いになりそうだ。