明け方ごろの読書日記

ほぼ読んだ本の備忘録にしています。たまに映画や身辺雑記的ことも書いています。2014年2月から3月までの記事は、2009年頃から2014年3月までに読んだ本を時系列無視で一気にアップしたものです。

『入門!論理学 (中公新書) 』野矢 茂樹著

入門!論理学 (中公新書)

入門!論理学 (中公新書)

これぞ入門書っていう感じの非常に良くできた本だった
 大体論理学の入門書って、対象としているターゲットが理系の人たちであるというせいか、文系読者にとっても入門書になるような入門書というものは少ない。
 入門書と銘打ってあっても、さっさと論理記号を使ったり、真理関数を使って作成した真理表を検討に入ったりとテクニカルな論題に移ったりしていて、何でこうなるの?って文系の初学者は置き去りにされてしまう。

本書はギリギリまで記号を使わず(論理記号はほとんど使用されていない)現代の論理学の基本的な事柄を教えてくれる貴重な入門書。正直、論理学に興味を持っていた12.3年程前にこの本があったらと思うと個人的には本当に残念だわ。

内容は命題論理と述語論理の基礎を押さえていて(しかも記号が最小限!)これから論理学に興味を持った人が更に論理学を勉強して行く時の大変良い橋渡しができていると思う。

記号論理学で使用される記号や考え方は厳密に定義されていて、私たちが普段使っている日常的な言葉と同じなようでいて異なっているので、慣れない内は戸惑うことがあるのだけど、論理学のエッセンスを逸脱しないように、私たちの普段使いの言葉で説明してくれているので、論理学がどのような学問であるのかが分かる本当に良い本だと思った。