明け方ごろの読書日記

ほぼ読んだ本の備忘録にしています。たまに映画や身辺雑記的ことも書いています。2014年2月から3月までの記事は、2009年頃から2014年3月までに読んだ本を時系列無視で一気にアップしたものです。

『ステルス艦カニンガム出撃 (文春文庫)』 ジェイムズ・H. コッブ著

ステルス艦カニンガム出撃 (文春文庫)

ステルス艦カニンガム出撃 (文春文庫)

10年ぐらい前に書かれた、近未来の南極大陸を巡っての紛争を舞台にした軍事小説(作中世界は2006年)。
この手の小説には愚かな敵がおかしな行動をとって、主人公達がそこに勝機を見いだすという興ざめな展開をするものもがありまが、この敵役のアルゼンチン軍は実に周到に主人公達を追いつめていきます。
ステルス艦というぐらいだから、主人公達の軍艦はレーダーには映りにくい存在なんですが、なんとかして追い込んでいこうと、アルゼンチン軍はそれこそあらゆる手段をつくしていきます。
また、敵役であるアルゼンチン軍の登場人物には下劣な人間がほとんどいないのもいいですね。
みんな、軍人として自分の任務を果たそうと懸命に行動しています。

軍事超大国アメリカの最先端テクノロジーを詰め込んだステルス艦カニンガムですが、テクノロジーだけで勝利するという場面は少なく、乗組員の命を懸けた決死の行動や、考え抜かれた作戦などがなければ撃沈されてしまいそうになったります。
結局、最先端の技術でも、使う人間次第なんだなぁと感じさせます。