明け方ごろの読書日記

ほぼ読んだ本の備忘録にしています。たまに映画や身辺雑記的ことも書いています。2014年2月から3月までの記事は、2009年頃から2014年3月までに読んだ本を時系列無視で一気にアップしたものです。

『“狐”が選んだ入門書 (ちくま新書)』 山村修著

“狐”が選んだ入門書 (ちくま新書)

“狐”が選んだ入門書 (ちくま新書)

 著名な匿名書評家だった〈狐〉氏こと山村修さんの書評集。さまざまな学問の入り口である入門書のみに絞った書評集だった。
 僕は〈狐〉氏の書評集をなんどか手にとってパラパラ読んだことがあったけど、どうも興味のある分野が重なり合わなかったみたいで、興味を惹かれることが無く今に至っていた。
 
 本書は〈狐〉氏が興味を持っている分野を興味を持っていない人にも持ってもらおうと、高水準の入門書を紹介されている。読んでいると、<狐〉氏の人となりというか書評家としての力量が伝わってきた。
 さすがに評価の高い書評家だけあって、丁寧な文章で書く本の魅力を教えてくれている。こんなに良い書評家さんだったんだなぁ。もっと早く手にとって観るべきだった。
 選ばれる入門書のジャンルも美術や古典芸能とか自分にとって取っ付き難い分野での入門書の紹介が多く勉強になった。
  
 wikiを読んで、2006年に他界されていることを知って衝撃を受ける。まだ56歳なのに残念だ。