明け方ごろの読書日記

ほぼ読んだ本の備忘録にしています。たまに映画や身辺雑記的ことも書いています。2014年2月から3月までの記事は、2009年頃から2014年3月までに読んだ本を時系列無視で一気にアップしたものです。

『はじめての分析哲学』 大庭健著

はじめての分析哲学

はじめての分析哲学

クワインを中心に分析哲学の発展を描写している。
 分析哲学におけるクワインの貢献や重要性はわかったけど、なんとなく自分がこの本に求めていたものではないようにかんじられて、内容が頭にあまり入ってこなかった。
 書かれたのは、今から20年以上前なので、当時の流行語が使われていたり(本文ではない)して、読む気をそがれたりした。
 もっとクリプキとかパトナム、ディヴィッドソンを絡めて、全体的な「分析哲学の見取り図」が読めると思っていただけに少し残念だった。
 しかし、論理実証主義から分析哲学への流れが良く分かったのはよかった。

 思っている以上に、科学哲学との親和性が高いのには個人的に驚きだった。もっと大陸系哲学の問題を違うアプローチで接近しているのかと思っていただけに新鮮な発見だった。
 まぁ”科学時代の哲学”を標榜していた論理実証主義の流れをくむのが分析哲学なのだから仕方ないのか(苦笑)。