明け方ごろの読書日記

ほぼ読んだ本の備忘録にしています。たまに映画や身辺雑記的ことも書いています。2014年2月から3月までの記事は、2009年頃から2014年3月までに読んだ本を時系列無視で一気にアップしたものです。

『名将に学ぶ 世界の戦術 (図解雑学)』家村 和幸著

名将に学ぶ 世界の戦術 (図解雑学)

名将に学ぶ 世界の戦術 (図解雑学)

著者の家村和幸さんはこんな方です。二等陸士で入って、二等陸佐で退役って相当できる人だったんだな。
 この本の記述を見ても、簡潔で要点を抑えているし、とても読みやすい。
 有名どころの戦いは大体入ってるし、戦いの目的や勝利条件、勝敗なども分かりやすく書いてあるので初心者にも分かりやすい。
 また戦況図や兵科記号も直観的に理解しやすく工夫されていて、戦いの推移も分かりやすい。
 各戦いはコンパクトにまとめられていて、古代から現代に時代が下がってくるに従い、軍が複雑な機動を実行できるようになっていくのがよく分かる。やっぱりこれは兵站がちゃんと管理できるようになって、現地調達の手間や不確実さを取り除くことが可能になって、軍隊の機動力が向上してきたのが大きいんだろう。
 
 次は戦術より上の兵術概念である作戦術とか戦略を扱った本を執筆して欲しいなぁ・・・
 特に作戦術ってイマイチ良く分からないので、ぜひ次回は『名将に学ぶ 世界の作戦術』をお願いしたいです。

 さくさく読めて面白い本だけど、オーストラリアのことをオーストリアって記述してあったり、「里」という距離の単位は中国と日本では異なるのに、日本の方の単位を使ってしまったりというポカミスが散見されたのが気になったが、類書でここまでの水準を保ちながら分かりやすいものはあまり見かけない(しかも安価)ので、おすすめ。