明け方ごろの読書日記

ほぼ読んだ本の備忘録にしています。たまに映画や身辺雑記的ことも書いています。2014年2月から3月までの記事は、2009年頃から2014年3月までに読んだ本を時系列無視で一気にアップしたものです。

『花もて語れ 2、3』片山ユキヲ著

花もて語れ(1) (ビッグコミックススペシャル)

花もて語れ(1) (ビッグコミックススペシャル)

花もて語れ 3 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

花もて語れ 3 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)


 このマンガのせいで最近涙脆くなってしまって仕方が無い(苦笑)
特に感動したのは引きこもりの社長令嬢への『やまなし』の朗読と『花咲き山』の朗読だ。

『やまなし』はこのマンガを読んでから原文を読んだ。あらすじがわかっているためか、社長令嬢の様にそれこそ一分もいらないぐらいの時間で読めてしまう。
 その作品を主人公の花が朗読すると、父と子の絆を描く感動的な物語に姿を変えてしまう。もちろん『やまなし』の作者の宮沢賢治は最初からそのように描いていたのだろうし、原文でそのテーマが読み取れなかったのは私の読解力の低さにゆえだ。
 
 次の大きな朗読である『花咲き山』も感動的だった。確かこの作品は幼少の時に学校の先生に朗読してもらっていて、何も感銘を受けることは無かったのか、あまり記憶に残っていない。
 今にして思えばもったいない話だ。

 『花咲き山』のあやはしっかり者の女の子なのになぜ迷子になるほど山の深部に迷い込んでしまったのか?
 ヤマンバはなぜあやの好物を自分も好きだと語ったのか?
 あやが観たお花畑の花はなぜ綺麗なのか?
 
 花たちの朗読によって『花咲き山』の本当の姿が見えてくるのは本当に感動的だった。2作品ともに短編に過ぎないのに、ここまで深い内容なのかと衝撃的だったし、今まで出会ってきた小説で何も感銘を受けなかった物にも、ひょっとしたら深い深い内容があったのかなって思うと後悔してしまう。
 主人公以外のキャラが『美味しんぼ』化しつつあるのがチョット気になりだしたんだけど、次巻も購入決定。