明け方ごろの読書日記

ほぼ読んだ本の備忘録にしています。たまに映画や身辺雑記的ことも書いています。2014年2月から3月までの記事は、2009年頃から2014年3月までに読んだ本を時系列無視で一気にアップしたものです。

『狼と香辛料〈3〉』支倉 凍砂著

まさか電撃文庫ファンタジー小説でここまでのコンゲームを読めるとは思わなかった。
素晴らしい水準だなぁ。
経済を扱ったファンタジー小説として有名な『まおゆう』がマクロ的なら『狼と香辛料』はミクロ的だと感じた、向こうが一国の経済を扱っているのに対して、こっちは大きくても商館レベル、でもその分商人同士の会話とか腹の読みあいとかが実に細やかでしかも深いのでとてもいい。
特に今回は実にねっとりと腹の読みあいが展開されています。いやぁ実に上手かったです。
ふと何気なく作者の出身地を見ると京都府出身
なんか、すっごく納得しました(笑)。

しかしまぁ、夫婦喧嘩は犬も食わぬというけど、巻き込まれたアマーティも可哀想に。
作中でも語られているけど、あんな閉鎖的な人間関係の田舎な街の女に手を出したら何言われるか分からないもんなぁ。
よそ者のホロならしがらみがないから惹かれるというのは良く分かる(しかも美人だし)。

田舎なんて人間関係が最大の話のネタなんだし、ヘタしたらどんな体位でしたのかとかもバラされる。昔、同じ職場の飲み会で女の子が、どんな体位で彼氏に迫ったかっていうのをおっさんに指摘されてたのを横で聞いた時はさすがに引いたわ(汗)。

ロレンスみたいに他の街へと渡り歩いていく行商人じゃなくて、この街にずっといるだろうアマーティは絶対に知っているものが死ぬまで笑い話のタネにされるよなぁ。
なまじ若くで成功しているし、妬んでる連中も必ず居るから絶対陰でコソコソ言われるに違いない(断言)。
可哀想に・・・でも若くて調子に乗っているときの恋愛なんて大抵痛い目に会って終わるんだから、いい勉強になったね。

変に頭が回ったがためにえらい苦労をする羽目になったロレンスだけど、ホロに対する気持ちを確認できたから良かったのかな?。
しかも儲けられたし。

しかしこの世界のように経済活動が活発なのに貨幣が足りないとなると不況にならないのかな?。