明け方ごろの読書日記

ほぼ読んだ本の備忘録にしています。たまに映画や身辺雑記的ことも書いています。2014年2月から3月までの記事は、2009年頃から2014年3月までに読んだ本を時系列無視で一気にアップしたものです。

『「資格の天才」ヤマモトの行政書士一発合格塾』山本 浩司著

今年は試しに行政書士を受けてみようと思って読んでみた。
この本は行政書士の試験が他の法律系の試験と性質をことなるということを解説している。

 前半は行政書士試験と言うものについて、試験委員と監督官庁の文書をもとに裏の意味を読み解いている
正直、得点にはならないけど行政書士と他の法律系の試験との相違点が浮き彫りになっていて、興味深かった
 実は、何年か前に一度行政書士を目指して色々参考書を立ち読みしていたんだけど、法律に関する知識を要求されるのは当然として、それがあまり実務(行政書士っていうのはいわば「代筆屋」)に直結しないというイメージをもっていたんだけど、この本を読むと最初から実務能力の養成を主眼においていない教養試験であることが分かった。
 職業訓練で、行政書士事務所に何件か訪問して職業講和を聞くと言う機会があったんだけど、皆さん試験合格後は行政書士会の研修会に参加するなり、高齢の行政書士に弟子入りみたいに入り込み実際的なノウハウを獲得しているようであった。
 その他にも、行政書士を作り出す試験としての行政書士試験としては、現状の行政書士試験はおかしいということを挙げられているが、試験対策(なにしろ一発合格塾と銘打っている)としてはあまり役に立たない。ただただ行政書士試験は難儀な試験(その際たるものが一般教養試験)なんだなぁという印象を補強するにとどまった。

 後半は実際の試験対策として、法律の考え方を分かりやすく解説しているが、この事を試験に対する解説だけでは紙数を稼げなかったから付け足したとみるか、二つのことが読めて得だと考えるかどうか印象が分かれるところだろう。
 しかし、法律の考え方としては類書ではあまり見ないほど、重要だけどあまり解説されることが少ない(それゆえに初学者にとっては法律が難解だという印象を植え付けてしまう)事柄が記されていて、よかったと思う。
 ただ、著者の独特の用語名(例えば陰陽の原理)とかが、取っ付き難く感じたのでもう少し砕けた用語名は無かったのかと残念に思った。

※私の読んだ版には一部致命的な間違いがあった。非常に基礎的な用語の意味を取り違えているので唯の勘違いだと思うけど、初心者も読むのでこういう明白な間違いはちゃんと校正して欲しい(具体的にいうと善意悪意の説明の部分)