明け方ごろの読書日記

ほぼ読んだ本の備忘録にしています。たまに映画や身辺雑記的ことも書いています。2014年2月から3月までの記事は、2009年頃から2014年3月までに読んだ本を時系列無視で一気にアップしたものです。

『グッバイ、レーニン! [DVD]』

グッバイ、レーニン! [DVD]

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冷戦が終わる前後の東ドイツのある親子を描いたヒューマンドラマ。
あらすじを読んだ限りでは、もっと吉本新喜劇みたいな笑いあり涙ありな展開を想像していたのですが、ちょっと違って全体的に哀愁を感じさせる映画だった。

ある日、病気で倒れてしまった主人公の母。
主人公は母親の看病のため病院の見舞いを欠かさずに行くが(実際は看護師目当て)、時は冷戦末期、ベルリンの壁が崩壊して東ドイツが消滅してしまうことに。
奇跡的に目を覚まします母に主人公は喜ぶが、再びショックを受けてしまうと命の保障はできないと医師から宣告されてしまう。

熱心な党支持者だった母がショックを受けないようにと、ベルリンの壁が崩壊して資本主義の波に飲まれていく元東ドイツの生活を懸命に繕っていく主人公の姿に笑いつつ、母親を思う気持ちにホロリとくる。

亡くなってしまった祖国への複雑な感情を持つ東ドイツ市民の姿とか、あまりなじみの無い東ドイツの生活などが、描かれていて興味深く思った。
映画の劇中にひょっとして秘密警察の建物か?って思うようなシーンもあり、昔読んだ『顔のない男―東ドイツ最強スパイの栄光と挫折 』の後半を思い出した。

期待した内容ではなかったが、冷戦が終わりつつあったあの時代の空気が伝わってきて面白かった。