明け方ごろの読書日記

ほぼ読んだ本の備忘録にしています。たまに映画や身辺雑記的ことも書いています。2014年2月から3月までの記事は、2009年頃から2014年3月までに読んだ本を時系列無視で一気にアップしたものです。

『マルタ島攻防戦 (航空戦史シリーズ)』 ピーター シャンクランド著

マルタ島攻防戦 (航空戦史シリーズ)

マルタ島攻防戦 (航空戦史シリーズ)

WW2でのマルタ島への大輸送船団を巡る連合軍と枢軸国の激闘を、アメリカ製タンカー「オハイオ」の生涯を中心にして描いている。

 マルタ島って地図で見たらイタリアのそばにあって、モロに枢軸陣営の喉元にある戦略的要衝でロンメル率いるDAKへの輸送を妨害していたのに、開戦後しばらくほったらかしだったってどういうことですか?
 
 しかしまぁマルタ島に補給物資を送るための計画って、ペデスタル作戦を見ても分かる通り、英国海軍は正規空母4隻投入とかマジすごいわ。
 枢軸側もドイツとイタリアが協力して阻止作戦を展開しているし、どちらにとっても激戦だったんだろうな。翻訳も良くできていて読みやすく(一部誤植あり)、非常に燃える戦記になっている。
 
 以下、色々感じたこと
 しかし、マルタ島って島は激闘の舞台になることが多いな、ヨハネ騎士団がイスラム勢力と大包囲戦(グレートシージ)をしたのもここだったし

 架空戦記の傑作シリーズ『出撃!伊号第30潜、マルタ島陸海攻略作戦!!』で、島民の目の前で「オハイオ」が撃沈されたので島民は戦意をなくして降伏したとあって、こんなことぐらいで降伏なんてするものかな?って思っていたけど、この本を読んだらマルタ島はギリギリで降伏寸前だったことが分かった。これじゃあ降伏も無理もないわ。一般市民も多かったし。
 っていうか、この架空戦記でも登場人物が言っていたけど、イギリス人って執拗過ぎ。7,8割沈んだような「オハイオ」を駆逐艦で引っ張って(というか引きずって)までマルタ島に届けるんだもんなぁ。
 
 イタリア海軍の戦略方針に「敵は探してまで攻撃するな」とあって爆笑。まぁフリートインビーイングに徹しようという戦略なんだろうけど、イタリア海軍がやるとなんか逃げまわるだけになりそう(偏見)

 ペデスタル作戦で投入された空母と投入された艦載機を見ると、太平洋の空母戦って異次元の世界だなってつくづく感じる。戦略環境の違いがあるっていうのは分かっているんだけど、やっぱりすごいわ。