明け方ごろの読書日記

ほぼ読んだ本の備忘録にしています。たまに映画や身辺雑記的ことも書いています。2014年2月から3月までの記事は、2009年頃から2014年3月までに読んだ本を時系列無視で一気にアップしたものです。

『ファウスト 新訳決定版』ゲーテ著

 『ファウスト』は中学生の時に年少向けの翻訳で半分ぐらい読んでいたが、面白いぐらい忘れていた。この新訳は韻文で書かれた原作を読みやすいように散文で訳してあるので、ゲーテ→難渋な文章ってイメージの正反対の軽妙な約し方でとても読みやすかった。
 内容はなんていうかいい意味での支離滅裂って感じで、ゲーテの『ファウスト』ってこんなフリーダムな話だったんだと驚いた。ギリシャ神話の神々やら妖精やらが出てきて盛り上げるかと思えば、極めて現代的な金融政策をメフィストフェレスが国に提案する(そして無法図に政策を行ったために崩壊する)とか何でもありな展開だった。
 ラストは割りとあっさりとしてて、あれ?『ファウスト』ってこんな淡白な終わり方なんだって、結構衝撃的だった。