明け方ごろの読書日記

ほぼ読んだ本の備忘録にしています。たまに映画や身辺雑記的ことも書いています。2014年2月から3月までの記事は、2009年頃から2014年3月までに読んだ本を時系列無視で一気にアップしたものです。

『審判 (カフカ小説全集)』 フランツ カフカ著

審判 (カフカ小説全集)

審判 (カフカ小説全集)

不条理モノで有名なカフカの作品。よく分からない理由で起訴された主人公が、よく分からない裁判制度の下で悩みながらよく分からない過程を経て判決を受けるという内容。キーパーソンとなりうるような人物が、本当に重要な人物なのかそうでないのかが分かり辛くしてあり、話の展開が予想できずハラハラしながら読み進めるうちにカフカの不条理の世界にはまり込むことになった。親が裁判中ということもあり、訳の分からない理由で告訴されて東奔西走する主人公に共感しながら読めた。

 なんでもこのシリーズは、綿密に検証されて再構成された別人の編集を経ていない、カフカが書いた原『審判』に一番近い物を底本にしたシリーズらしい。
 カフカの小説は初めて読むけど、いやぁ、本当に悪夢を見た後の様な読後感の小説だった。アニメ監督の押井守さんの世界そのままだ。