明け方ごろの読書日記

ほぼ読んだ本の備忘録にしています。たまに映画や身辺雑記的ことも書いています。2014年2月から3月までの記事は、2009年頃から2014年3月までに読んだ本を時系列無視で一気にアップしたものです。

『ユートピア (岩波文庫) 』トマス モア著

ユートピア (岩波文庫)

ユートピア (岩波文庫)

理想郷の代名詞になった『ユートピア』を読んでみた。
16世紀に書かれたもので、一世紀後の『ガリヴァー旅行記』と同様に時の権力者から目を付けられないようにという配慮からか、架空の旅行者からユートピアのことを伝え聞いたという形式を取っている。
本の内容としては共産主義を先取りしたような国が考えられていて、きっとマルキスト達が理想とした国家っていうのは、こんな感じだったんだろうなぁって思いながら読んだ。
ユートピアなのに奴隷が存在したり、黄金が無価値だったり、職業選択の幅が狭かったりと現在から見ると随分窮屈な国だなって感じた。
今から観たら色々と突っ込み所があるんだけど、当時のヨーロッパ人から見たらまさにユートピアだったんだろうと思った。