明け方ごろの読書日記

ほぼ読んだ本の備忘録にしています。たまに映画や身辺雑記的ことも書いています。2014年2月から3月までの記事は、2009年頃から2014年3月までに読んだ本を時系列無視で一気にアップしたものです。

『 陋巷に在り〈13〉魯の巻 (新潮文庫) 』酒見 賢一著

陋巷に在り〈13〉魯の巻 (新潮文庫)

陋巷に在り〈13〉魯の巻 (新潮文庫)

一巻を読んだのはもう十五年ぐらい前のこと。
その頃はまだ高校生だった。思えば遠くに来たもんだw。

3,4巻までは読んだ記憶があったんだけど、最初から読み直してみました。
この人の作品に一時期ハマっていて何冊も読んだことがあるんですけど、この作品が一番面白いです。

てっきり、顔回が死ぬまでを描くのかと思い込んでいて、そのわりにはあまり進まない展開に疑問を感じていたんですけど、読み終わった今となっては陽虎との死闘や少正卯の陰謀などが極めて濃厚に描くことが出来ていて面白かったです。

孔子とその弟子が主人公ということで、もっと抹香臭いというか説教くさいモノかと思っていたんですけど、自分の理想とする政治を行おうとする熱い情熱を持った思想家といった孔子は新鮮でした。

そういえばこの本を読み始めた同時期に呉智英さんを読んでいて、彼の書く孔子の話も読んでいたせいで割とすんなり酒見賢一さんの孔子像を受け入れられました。

13巻と長めのシリーズですけど、圧倒的な面白さの前に一気に読みきってしまいました。