明け方ごろの読書日記

ほぼ読んだ本の備忘録にしています。たまに映画や身辺雑記的ことも書いています。2014年2月から3月までの記事は、2009年頃から2014年3月までに読んだ本を時系列無視で一気にアップしたものです。

『 忘れられた兵士―ドイツ少年兵の手記 (1980年) (Hayakawa nonfiction) 』ギイ・サジェール著

フランス人なのにドイツ軍に憧れて少年兵として入営したギイ・サジュールの手記。
華々しく活躍する戦闘部隊に憧れて軍隊に入ったギイですが、最初は補給部隊に配属されて、ひたすら苦労しながら補給物資を前線に届けても評価されず、逆に戦いに負けたのはお前たちにやる気がないからだと非難されてしまいます。

それなら戦闘部隊に配置転換してもらってソ連軍と戦ってやると、少年らしい若い決意をするギイですが。
その頃には戦況はソ連軍の優勢に傾きつつありました。
ギイはドイツ軍の栄光の残滓を引きずりつつ、辛く長い長い撤退戦を戦うことになります。

ギイはフランス人ですけど、あまりフランス人らしい視点というのは感じることができませんでした。
でも、少年兵としてのギイが見た独ソ戦の実相は本当に悲惨です。
ラスト近くなると、限界を超えて戦ったせいか、どのように戦闘を戦い抜いたか憶えていないという場面も出現します。
そんな地獄のような戦場でなんとかギイ達が助かったのは、ある熟練兵の存在が大きいですね。
戦場での生き残り方をギイ達に教えてくれる彼が居なかったら、とても生還することは出来なかったと思います。

終戦後、母親との再開シーンは本当に感動的ですばらしいです。